リスクとは


証券取引など現物取引に慣れた人々は、将来、相場が上がることを信じ、
相場が低いときに買って、高いときに売るということが頭に沁み込んでいます。
相場が上がらないとか、相場が下がるとかすると、ほとんど全ての人ががっかりします。
しかし相場の上下は、ごく自然な現象で、この相場が変動するリスクを「ヘッジ」
しておけばいいのです。
「ヘッジ」というのは本来「垣根」のことで、より安全な場所で危険を避けるという
意味ですが、転じて、価格変動のリスク・ヘッジの意味でも使われるようになったのです。
一方に相場が下がって不利になるとき、他方に相場が下がると有利になるものを持っている
ことです。そうすれば一方の損を他方の益で補って、リスクをヘッジできるのです。
相場が下がると有利になるものとは、先物の「売り」と「プット」オプションなのです。
リスクとは価格変動のことです。価格変動は上昇と下落のどちらかですが、価格が上がって
利益になる場合もあれば、価格が下がって利益になる場合もあります。つまり、リスクにも
価格上昇と下落の二つの場合があるのです。
先物をリスク・ヘッジに使うということは、農産物の生産者のように現物価格が下がると
困る人は、先物を「売り」ます。加工業者のように現物価格が上がると困る人は、先物を
「買い」ます。
例えば新潟の米の生産者が自分の生産するコシヒカリを1俵1万6000円は確保したいと
思うときは、夏の田植え時に、先ず米の先物を「売り」ます。秋の収穫時に1俵1万4000円に
下がったら、売った先物を「買い戻す」と2000円の益が出ます。
先物の「売り」は、将来、相場が下がるときには「買い戻す」ことで利益になるからです。
価格が下がったとき損が出るような現物の価格変動リスクをヘッジするにも、価格下落を利益に
するにも、先物という「ヘッジ」手段が役立つのです。
このように、先物は、将来、相場が下がることもあることを前提にしているのです。
先物での「リスク・ヘッジ」は、現物と先物の損益を「相殺」することです。
先物の「売り」は、現物価格が下がったときは益が出ますが、現物価格が上がったときは損が
出るのです。
現物だけ取引する人あるいは先物に慣れていない人にとっては、将来価格が下がることを予想する ことは面白くないかもしれません。
まして、先物特有の、まだ物が手元に持っていなくても先ず「売る」という「空売り」
(ショート・セリング)は苦手かもしれません。しかし先物でリスク・ヘッジできるのは、
この「空売り」ができるからなのです。
遠い昔から先物は、ことわざにも『買い上手より売り上手』と言われます。
先物取引は相場が下がりそうなときは先ず「売り」、あとで「買い戻す」という手法です。
時々「空売り」を先物の元凶のように批判する人がいますが、それは、先物取引やリスク・ヘッジを 正しく理解していない人が言うことで、世の中では、一方に、相場の下落を喜んでいる人々が
大勢いることは忘れてならないことです。
現物の価格変動そのものをなくすことは困難ですが、先物の取引で、リスク・ヘッジが可能なのです。
リスク・ヘッジができれば、あとは安心して生産も取引もできるのです。先物取引の経済的な意味は、 価格変動という「リスクからの解放」なのです。


 


  















  









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